【真下華穂】〈11月〉頓所さんと野球についてパート2

先月に引き続き、私の「ブログ取材」をサポートしてくださっている頓所理加さんの野球への想いを聞かせていただきました。

 

 

 

NGT48 真下華穂 →プロフィール

 

 

新潟県女子野球連盟会長を務めている頓所さん。今月は「頓所さんと女子野球普及について」をテーマに書いていきます。

 

今年で16年目になる新潟県での女子野球普及の活動。今では学童野球チームの試合に沢山の女子選手が出場して活躍しています。しかし、こうなるまでには沢山の苦労があったそうです。

 

16年前、新潟にはまだ“女子野球”という言葉はありませんでした。学童野球チームをみても、男子ばかり。女子選手を見ることは、ほとんどありませんでした。

 

写真 : 笹山ライオンズ
写真 : 笹山ライオンズ

少しずつ環境が変わり、

その後、チームに女子選手がポツリポツリ。


 

練習中はみんな一緒に野球をしていても、休憩中は1人ポツンと水筒を飲んでいる女子選手。柔軟体操や、キャッチボールの相手を探せずにお父さんが担当しているチームもあったそうで。当時、学童チームのコーチをしていた頓所さんは、そんな場面を見るたびに胸が痛くなったと言います。

 

この状況は、誰が悪いわけでもない。決して男の子が悪いわけでも。ただ純粋に、みんなに楽しく野球をしてほしい。そんなことを想ったそうです。

 

そして、頓所さん自身も昔野球をやりたかったけれど、あの頃はチームに入ることすらできなかった。でも今の女子選手達は勇気をもって手をあげて、一歩を踏み出している。道は険しくても頑張る彼女たちは本当にかわいくて。そんな女子選手たちに「仲間はいるよ」と、背中を押してあげたいと思ったのが「女子野球普及活動」へのきっかけだったそうです。

 

写真 : フレンドシップマッチ風景
写真 : フレンドシップマッチ風景

野球を頑張る女子選手たちの為に何かできないか。

 

周りの指導者仲間と話し合い「第1回BBガールズフレンドマッチ」を開催。女子選手だけで集まって野球ができる夢の一日を企画。この時の参加人数は64人!いつもは男子の中に混ざって組む円陣も、この日はみんな女子選手。恥ずかしがることなく肩を組む。そして、ストレッチも女子同士で背中を押し合える。普通のことが、やっと出来た日。みんな本当に目がキラキラしていたそうです。

 

そんな中、奇跡は起こります。「あの子が野球続けるなら私も続けたい!」と、野球を続けたい女子が増えたのです。それまでは、中学に上がると女子選手は野球から離れるのがほとんどでしたが、仲間がいると感じることで、続ける選手が増えたといいます。

 

中学生から大人までの女子が集まる”NLライズ“の結成を皮きりに、その後も立て続けに県内に女子軟式クラブチームが出来る流れになりました。

 

そして今度は中学卒業後、野球を続けたいけれど「新潟で野球ができる高校がなく…」県外へ行ってしまう選手が増えてきたそうです。

 

新潟の高校で野球ができるようにと、頓所さんをはじめとする「BBガールズ普及委員会」のみなさんが新たな行動をおこします。そして「ここだ!」と思う高校に2年アプローチを続けた結果、新潟県内に初の高校女子硬式野球部が誕生。これが現在の開志学園高校女子硬式野球部です。そして、頓所さんは創部から4年間コーチとして就任。「私がチームの指導者を引退してからの方が、開志学園さんは結果を出されました。でも、悔しいとかはないです。こんなに素晴らしいチームに少しでも関われたことを幸せだと感じています」とほほ笑む頓所さん。結果よりも過程を重視している頓所さんらしい言葉だと感じました。

 

女子野球は、16年前からするとずっと伸び続けています。伸び続けているからこそ、課題が生まれたり継続するうえでの苦労もあります。

 

頓所さんは、一人で抱えるのではなくみんなで作り上げていく作業が好きだと教えてくれました。「支えてくれる仲間がいるおかげで、こんなに長く続けていられるんだと思います」

 

仲間と気持ちを共有することによって、奇跡が起こったり、たくさんの感動が起こります。女子野球の活動をしていなければ気づくことができなかった“財産”に頓所さんは出会ったのだと感じました。そして、この感情は私自身の活動にも近いものがあると気づきました。みんなの想いが重なった時、奇跡のような素晴らしい時間が生まれる。それを沢山のファンの皆さんに届けたいとあらためて感じました。

 

 

最後に、私から見た「女子野球」の感想です。

写真 : 仲間たちと記念ブレス
写真 : 仲間たちと記念ブレス

 

私もBBガールズフレンドシップマッチを見学したことがあるのですが、女の子たちが本当に楽しそうに野球をしている姿に元気をもらいました。

 

好きなことに夢中になる姿は本当にキラキラしていてかっこいい!彼女たちが、やりたいところまで夢を追いかけられたらいいなと思います。

 

そして、今回の取材を通じて、頓所さん達ががどんな想いで動いていたか、より一層分かりました。

 

野球をする男の子、女の子が増えていって、いつか本当の意味で”誰でも野球ができる“時代が来ますように。

 

 

写真 : 真下さん頓所取材
写真 : 真下さん頓所取材