テキスト : NGT48 真下華穂 →プロフィール
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「野球をしている子の見えない部分を支えるにあたって“やってくれてるな”となるべく気づかれないのがベスト。プレーヤーはそんな所を気にしてたら良いパフォーマンスができないと思う。ボールが綺麗で、ネットが破れていたら修繕するのも当たり前。自分は黒子に徹する。」
新潟ドームスラッカーズパークの品田雅史店長さんの取材中の言葉です。
お話を聞いているうちに、品田さんが“新潟の野球のお父さん”のような温かみを感じました。
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今回は開店前のお仕事のうちのひとつ、バッティングセンター内にあるティーバッティングで使うボールの汚れを拭くお仕事を体験させていただきました。
水で濡らしたスポンジでボールを拭くのですが、力いっぱい磨かないと中々汚れが落ちません。どんどん綺麗になっていく達成感がありますが、思っていたよりも力がいるお仕事です。
だけど、「汚れているボールより、綺麗なボールの方が飛ぶ気がすると思います。」ボール磨き中のその言葉に、店長さんのバッティングセンターに来る子どもたちへの想いを感じ、私も綺麗なボールでたくさん打ってほしいと思い、ボールを拭く手に力がこもりました。
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こんなにも大変な作業ですが、「僕がやっている仕事は、子どもたちに気づいてもらわなくていいんです。」
そのモチベーションは、気がついてくれて“ありがとうございます”と声をかけてくれる子がいること。また「全員に注目をされてしまうとプレッシャーになってしまうので…僕の性格ですね」ともおっしゃっていました。
私は普段NGT48というアイドルグループにいて、たくさんの方に支えてもらって成り立つことができているお仕事です。私は支えてくださる方のお仕事に、気がついて感謝を伝えられる人でありたいと常に意識をして活動をしてきました。なので、「全員に気づかれなくて良いんだ」とおっしゃった時に、そう思っている方もいらっしゃるんだと少し驚きました。
その言葉の中に私は、店長さんの野球に対する想いを熱く感じました。
取材を続けていると、常連の子に直接声かけはしなくても、大会のメンバー表を見て「この子、分かる」とバッティングセンターに来ている子のことを見ていて応援していたり、忙しい合間をぬって野球の大会の運営をしているそうです。
バッティングセンターの店長さんをしているだけでなく、この場所を通して、新潟の野球を支えているのだと。まさに縁の下の力持ちのお父さんのような存在だなと思いました。
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親子で来ることが多いこのバッティングセンター。中には毎日来る子もいるそうです。小学校低学年の頃から来て、中学3年生になった子がいたりと、たくさんの野球少年少女の成長を見守ることができていることが店長さんの楽しみだそうです。
「ここで打ったからといって試合で打てるとは限らないけど、打つことによって気晴らしになってまたがんばろうという気持ちや、新しい道を見つけるとか…たくさんここには想いがある場所だと思います。」
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今このバッティングセンターに来ている子どもたちが、いつか大人になってまた自分の子どもをここに連れてきてくれたら良いなと、子どもたちの未来を楽しみに語ってくださいました。
たくさんの野球少年少女とその家族が集まるスラッカーズパーク。これからも更にたくさんの方に愛されていって、みんなが成長する場でありますように。
〈協力〉