子供の頃からずっと憧れていた甲子園。
弾丸ではありましたが、行くことが出来、自分の目で初めて観ることが出来ました。
自分自身にとって、本当にかけがえのない貴重な時間となりました。

私が野球をやりたいと、小学4年の頃に思ったきっかけが「テレビで見た甲子園」でした。
キャッチャーがフライに飛び込む姿を観て「やりたい!野球がやりたい!」と熱い気持ちになりました。
ただ、これが男の子しか出来ないスポーツだとは、当時はわからず。周りの大人から「女の子は野球は無理だよ」と言われるようになり、現実を知ることとなりました。今とは時代背景も違うので仕方がないですね。
そして、幸せなことに、今では時代の流れの中で、女子高校生の全国大会決勝戦は甲子園でおこなわれています。こうやって少しずつでも男女共に楽しめる野球界に代わっていってくれたらいいなぁ。
といいつつも、あれから約40年。
気づけば一度も「甲子園」に行くこともなく今日まで。

お母さん業、野球、仕事、様々なことと向き合う日々。新潟県内の女子野球普及に明け暮れるなか、あっという間に月日が経ち。自分の夢のことを考える余裕もなかった気がします(笑)
そして、今回本当に弾丸でしたが、行くことができました。
それは、心にささる一言をもらえたから。
『これからの女子野球普及を続けるモチベーションにもなる!だから、絶対に行った方が良い』と背中を押してもらったのです。
私が甲子園を見て野球をやりたいと思った少女時代の話を覚えていてくれたからこその言葉。あの言葉がなければ、もちろん甲子園には行けていないし、この先も数年、行っていない気がします。
私は人生の節々で、こうして誰かからありがたい言葉をもらったり、背中を押してもらえている。おそらくそれがなければ、女で一人野球界にいるのは難しかったとも感じています。

初めて甲子園に足を踏み入れて、長年の夢が達成できて。
正直それだけで涙があふれてきました。ここまでの長かった道のり、様々なことが思い出されました。
開会式での生演奏と生合唱、出場全チームの入場行進、心のこもった選手宣誓。どれもこれも本当に素晴らしく、甲子園の歴史と重みも感じました。
そして試合が始まり、球児達はあらためて私を驚かせてくれました。
幼い頃見た私にとっての甲子園は、全国制覇とか全国大会というイメージではなく。純粋に『かっこいいプレー姿を見せてくれた選手達が立つ場所』でした。
そして、あれから何十年もたっているのに、実際に自分の目で見て心で感じたことは、あの頃と変わらない感覚でした。
両豪チームとか選手としての技量が高いとかそういうことだけではなく、一生懸命で、全力で、熱き想いがみなぎっているキラキラした姿が、私の心にグッとささりました。

そして甲子園で躍動する選手を見ていると、その向こうに、各県大会でやはり同じように全力で野球と向き合ってきた高校球児の姿も目に浮かびました。
ここにいる選手だけでなく、全ての高校球児一人一人にもドラマがあって、そこも伝わってくる。目の前で見えていることだけがすべてではなく、バックブラウンども含めて野球だなと、あぁ、好きだなとあらためて感じました。
今年、甲子園は100周年。こんなに素晴らしい節目の年に行けたことも運命だと感じることが出来、感謝の気持ちと共に、自分の意欲にもつながりました。
選手宣誓の言葉にもあったように「この先の100年も」そこに想いを馳せ、野球の未来を模索したいと思います。
私に出来ることはもちろん限られています。
野球がこれから先も、男女共に愛され、プレーし続けられる競技でありつづけるように。
そのために、仲間と共にこれからも、同じ夢と希望を胸に突き進みたいと思っています。